内製可能なシステムを利用して、導入コストを抑える
温暖で比較的安定した気候風土の日本ですが、阪神・淡路大震災や東日本大震災などでも証明されたように、地震、津波、台風、暴風雨、河川の氾濫、浸水など、いつ何時自然災害の猛威に襲われるか判らない時代に私たちは暮らしています。
また、天災以外にも情勢の急変や予測不能の事態による様々な危機的状況が生じることもあり、そうした危険を一早く察知し警告するために総務省・消防庁が開発・整備を進め2007年より地方公共団体で運用が開始されたのが、J-ALERT(全国瞬時警報システム)です。
既にJ-ALERTを受信するシステムをご用意しておられたA市役所様では、防災への取り組みとしてこのJ-ALERTを含む緊急放送システムを新たに導入することをご計画。導入にかかるコスト面で慎重に検討を重ねられる中、弊社へのご相談をいただきました。
広域に情報を伝達する場合、地域のコミュニティFM局のインフラを利用すれば比較的安価にシステムを構築することが可能です。J-ALERT情報を市役所内のシステムから分岐取得し、コミュニティFMの電波を利用して防災ラジオへの送信を行う仕組です。しかし、そのためには放送特機と呼ばれる専用の機器を導入する必要があります。
そこで弊社では、J-ALERT信号をコンピュータ上に送り、防災ラジオへの起動信号の発信やFM局の送信機への割込放送を可能にするスイッチャーの活用をご提案。コンピューターと放送機器を接続するこの部分を内製可能にし、さらに一般音響機器やコンピュータネットワークを活用することでコストを大幅に削減して、既存インフラを利用した自治体の緊急放送システムの新設を果たしました。